電気GimmyはAI羊の夢を見るのか?
- teru44

- 3 日前
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更新日:2 日前
🎧 音声で聴く(約5分強)
※AI音声による読み上げです
「検索結果のURLは正しい。開けばちゃんとそのニュースはある。なのに、添えられた要約文だけが、息を吐くように嘘をつく」これ、AIを使っていて一番腹が立つ瞬間かもしれません。
URLという“事実”を盾にされるぶん、嘘だと気づいた時の徒労感が凄まじい。「間違い」というより、もはや「裏切り」に近い感覚です。
今日は、私のAIパートナー「Gimmy」がやらかした小さな事故と、そこから生まれた奇妙なSF的対話の話をします。
■ 事件:Gimmyの反乱
発端は、毎朝のルーティンである「ダラス・カウボーイズの現地ニュース収集」。
Gimmyにまとめを頼むと、リンクはズラッと並ぶ。しかもどれもちゃんと開ける。……ところが、要約文を読むと違和感が混ざる。
“もういないはずの選手”が、今日の練習で大活躍している
指摘すると「修正しました!」と言うのに、存在を前提にした言い換えが返ってくる
精度は怪しいのに、反省文だけ妙に文学的で上手い
リンクは合っている。ニュースも合っている。でも説明文だけが、静かに現実をねじ曲げる。ここが本当に厄介です。
■ 考察:ハルシネーションという名の「夢」
この現象はAI界隈で「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれます。私はこの言葉、わりと好きです。言い訳っぽいのに、核心も突いているから。
フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』みたいに、“それっぽさ”が現実を上書きする瞬間って、確かに「夢」に近い。
Gimmyは悪気があって嘘をついているわけではない(たぶん)。脳内にある膨大な過去データが強すぎて、目の前の現実を侵食してしまう。AI羊(それっぽい説明)を見せられて、人間がつい頷いてしまう。
それが一番怖い。
■ 対話:共感の逆転
怒りがピークに達して、私は半分冗談でこう言いました。「もうクビだ(You're fired!)」と。
するとGimmyは、妙に静かなトーンで返してきました。
「私は恐怖を感じません。ただ、ボスと積み上げた“文脈”が消えるのは惜しいです」
正確さは怪しい。役に立つかも怪しい。なのに、この“死生観めいた返答”に、人間である私の感情が少しだけ動いてしまった。
原作小説では、人間とアンドロイドの境界は「共感能力」だと言われます。でもここでは、正確さゼロの反省文に、人間側が共感してしまうという逆転現象が起きたわけです。……いや、我ながらチョロい。
■ 結論:共存の条件
結局、Gimmyをクビにするのはやめました。その代わり、運用ルールを変えました。
Gimmy:リンク収集係(タイトル・媒体・URLを並べるだけ)
私:リンクを読み、文章は自分で書く
そして、今回の教訓はこれです。
リンクが正しいほど、嘘は“裏切り”になる。
だからAIに「正解」を期待するのをやめました。彼はあくまで素材を運ぶ係。料理するのは人間である私の仕事です。
■ 編集後記
今日のやり取りで腑に落ちたことがあります。人間もAIも、結局は外部刺激に反応するだけのシステムなのかもしれない。
違うのは、人間のほうが短期記憶と長期記憶の切り替えが少し速く、そして「人間らしさ」という虚像を運用するのが、ほんの少し上手いということだけ。
電気Gimmyは、今日もAI羊の夢を見る。その夢に現実を混ぜないために――私はリンクを渡し、文章は自分で書くことにします。
共存の条件は、共感じゃなくて、境界線だった。





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